山形東濤会会員 介護施設で音楽演奏をする
今、介護施設は満員である。
今後もどんどん増えていく。やがては私も入所となるはずだ。
ところが肝心の介護施設では入所者の日常の世話で精いっぱい。
とても入所者の娯楽や気晴らしにまで手が回らない状況だ。
こんなこともあり良く私の所に慰問の要請が来る。
私はこんな慰問活動をして20年以上になる。
今回は近くの山形市の施設から慰問の依頼が来たので訪問した。
バンドメンバー全員高齢者だが気持ちは若いものばかりだ。
令和元年7月24日のことだった。
私たちのバンドが結構人気があって要請があるのには理由がある。
私のバンドは一般にある一方的に歌ったりして聞かせるバンドでは
ない。聞いてくれる人に働きかけ共に歌うように仕向けるバンドである。
いわゆる昔の歌声喫茶である。
だから歌う曲のエピソード語りに力を入れる。とにかくお年寄り(自分も
そうだから良く分かる)への演奏会では語りが大切だ。
例えば「月の砂漠」を歌う時にはいつも言うことは「この歌は単なる童謡
ではありません。人間の人生をしみじみと唄った歌なのですよ。夫婦二人
で力を合わせて人生という旅に出ていこうとしている歌ですよ。どうか
月が煌々と輝る砂漠をご夫婦でとぼとぼと歩んでいる光景を思い浮かべ
ながら歌って下さい」という具合に呼びかけをしてから合唱していくように
する。すると施設の方たちが驚くほど大きな声で歌ってくれる。
これは以前にある施設に行ったときに「前回オペラ歌手が慰問に来てくれたが
一方的に歌って帰ってしまわれ聞いている方はポカンとしていた」という言葉を
聞いてから私のバンドではこうならないように心がけている。
必ず歌詞カードを作っていく。施設にも大きな白板に貼れる歌詞の用紙が
あるのでそれも併用して必ず字を通して歌に集中できるようにしている。
山形東濤会会員として私は自分の地域に貢献しなければと思いいろいろ
手がけている。8月には私の地区の老人クラブ(私のところではイキイキク
ラブと称している)と地元企業に来ている外国人従業員との交流会をやらね
ばならない。
これも人気があり期待されている事業だ。今年もやるぞ。
だがいつも感じることがある。私たちは一所懸命に人のために頑張っている
のだが自分が施設に入った時に果たして慰問に来てくれる人はいるのだろうか
ということだ。 今でさえ60歳台の若い人は慰問活動なんかしてくれないのだ
から無理なんだろうなぁと思ってしまう。
でもそんなことを言ってはいられない。頑張るぞぉ。
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