あの高畠電鉄は今どうなっているか
平成23年6月15日現地取材
東濤会の皆さんが高校生の頃は奥羽本線糠の目駅からは「山形交通高畠線」が
二井宿まで通じていた。この糠の目駅は今は高畠駅と改称されている。
一応電気軌道となっており小さな牽引用の電気機関車が数量の客車や貨車を
引っ張っていたのを覚えている方もいると思う。
のどかな田園の中をとことこと走る姿は何とも言えない情感があったのを私は
覚えている。
高畠エリアの多くの学生はこの電車で米沢や赤湯・宮内へと通学した。
大変地域の生活に密着した路線であった。
今は当然にこの路線は無い。今回この路線の現状を皆さんに伝えてみたいと思い
レポートをします。
平成23年6月15日はとても素晴らしい天候となった。とてもじっと家にいるわけに
はいかない。さっそく今流行語の「日野正平をしよう」と思いついた。
これはNHK・BSの3チャンネルで放映されている日野正平の自転車輪行番組が
評判となり車や電車で自転車を携行して目的地で自転車に乗り換えてサイクリン
グを楽しむことを「日野正平する」といっている。
さっそく私も自転車を分解して車に積み高畠町へと向かった。
もっとも私のは手抜きで外したのは前輪だけとした。
さて昔の糠の目駅(今の高畠駅)の外観を観光パンフレットからの資料で示そう。
今はとんがり屋根のメルヘンティックな外観に変わっている。
ここには山形新幹線も停車する。
この高畠駅は全国的に有名になっているものを持つ。
それは駅の構内に温泉を持っているのである。
地方線は列車の運転間隔がとても長いのでそれを温泉に入りながら待つことが
出来るので好評なのである。
次の写真にあるように時間表の脇に温泉への入り口がある。
さて駅を出ると直ぐに緑の細い道が現れるが実はこれが昔の高畠電鉄の
軌道跡地である。
この道が高畠町まで続いている。自転車は元通り組み立て写真のようにな
った。
この自転車で高畠町までサイクリングだ。
次の写真のように立派な道路が高畠まで約10キロほど続く。とても快適な道だ。
途中に童話作家として有名な浜田広介の記念館がある。
「むく鳥の夢の母さん白い鳥。覚めて見る枯葉の上の白い雪」 広介
とても良い所である。ぜひ寄ってみて欲しい。
コースの途中にはこのような自転車専用の大橋もある。これが自転車しか
走れないのである。
コースの中の安久津にはこのような三重の塔がある。この一帯は古墳が沢山
ある
古い歴史の地域である。
コースが高畠町の中に入ると高畠電鉄の高畠駅がある。現地で採れる石を
使用した立派な趣のある駅である。この駅を見るために来る人も結構多い。
この駅舎の南側には当時の列車がそのまま保存されている。
子供たちが結構喜んで見ている。
よくぞこの小さな電気機関車で引っ張ったものだと感動してしまう。
最後に高畠駅が高畠町までの地図を示す。
なお、サイクリングロードは高畠町から二井宿までのコースは高畠町から
びる沢湖までへと変更されている。
最後に高畠電鉄の歴史を振り返りレポートの終わりとする。
開通は1922年(大正11年)に一部開通からスタートし1943年(昭和18年)
から山形交通高畠線として地域の足としての地歩を固めた。
しかしマイカー人口の増加に伴いついに1974年(昭和49年)に廃線となった。
この線路の跡地は1976年に「まほろばの緑道」として憩いの道として再出発
して1993年には「米沢県南公園自転車道線」として新たな発展を遂げつつある。
この道はミニマラソンにも使われ広く地域住民の憩いの場として大切にされてい
る。
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