山形市のもう一つの川 須川の今
平成24年6月26日
山形市の代表的川といえば馬見ケ崎川となるが実はもう一つ大事な川が
ある。それは"須川"である。馬見ケ崎かわが山形市を東西に流れているが
須川は山形市を南から北へ流れていく。
この川の流域はとても自然が豊かで野鳥が多くいる。また木々も多く茂り泰西
名画を見る心地になる所が多くあり私は好んで散策する所である。
しかしほとんどの市民は無関心である。それはこの川は一般的には役立たず
と判断されているためである。
というのはこの川の始端は蔵王山ろくであるために強い酸性を帯びている。
そのために魚が住めないほどである。また川の中の石はまっ茶色に酸化して
まったく色気の無い様相を示している。
だから市民からは見向きもされなかったのである。
又、大変な暴れ川で一度大雨となると恐ろしい川に変貌する。
特に下流は馬見ケ崎川(下流では白川となる)との合流地点ではうまく合流できず
に逆流が発生して周辺の流域を水浸しに追い込む。
しかし、平穏な時の川は平和そのものである。
今回は自転車で中流から終端までサイクリングをして須川の現状を紹介してみる。
まずスタートは山形放送ビルをまっすぐに西の方向へ向かう。山形市を抜けてどこまでも
山辺町の方向へ4キロほど進むと須川の橋に出る。
そこまでの途中は西に月山を見ながらのサイクリングとなる。とても気持ちがよく、これぞ
生きているということを強く感じさせてくれる。
下の写真で月山がうっすらと見えるのがわかるだろうか。まだ積雪はたっぷりある。
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須川を横切る橋の上からの須川である。
川の水の色がまっ茶色なのがお解りいただけると思う。この辺はとても魚は住めない。
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ここから向かって左側の土手を下っていく。
山辺の町に入る近くの地点にくると見慣れないものが眼に入ってくる。
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実はこれが山辺の新名所になっているコンクリートトラスの橋である。
普通は橋梁の剛性を上げるために太いワイヤーロープで吊るのだがこの
橋は鉄筋コンクリートで吊り橋状態にしているのが特徴である。
実はこれは鉄道用の橋梁なのである。
一般に鉄道用橋脚だと無粋なのが一般的だがこの橋は堅牢さと景観を柔
らかにする両方を兼ね備えているのである。
近くに寄ってみて見るとよく分かる。
山辺町の新しい名所になっておりここをSLが通過する時は大勢のカメラマンが
集まってくるポイントになっている。
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さてここをもっと下っていくと中山町に出ていく。中山町で須川と白川(元の馬見ケ崎川)と合流
して最上川に再合流すことになる。
ここでは更に山寺から来る立谷川とも合流するので洪水期のこの近辺は大変危険な場所に
なる。これらの川がうまく合流できるとラッキーなのだがどれかの川に逆流していくと大変な
洪水が発生する。そのためにこの近辺は広い遊水地になっていたのだが近年これらの土地が
縮小しており私は憂慮している。
次に紹介する写真は誠にレトロな橋で映画にでも使えるようなたたずまいをしている。
須川から分かれ立谷川に入り山寺の方面に向かっていくと見える橋である。
向こう側が下流であり今辿ってきた方向である。本当の清流がここにある。

この近辺はサクランボの主産地である。そのために自転車のすぐ傍にはサクランボの木が
いたるところにある。手を出せば自然と手にぶつかってくる距離である。
でも取れない。新聞にサクランボ一つ取り現行犯で逮捕された記事が出ていた。
私の子供時代は良かったな。自由に取って食べられたし、当時はむしろ農家にとって厄介
物扱いだったので気にも留めなかったのだろう。
また当時のサクランボはそれほど美味しくはなかった。人気が出てきたのは佐藤錦が出てき
た近年であるもの。
さてこのようにして山形市の須川を下流に辿った経過をお知らせした。
須川周辺が自然豊かな地域であることが分かっていただけたことと思う。
次回は今回の地点の上流を廻ろうと思います。
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