送電線建造の現場を見る

 通常は深山の中に屹立している送電線の鉄塔建設の場面は見る機会が無い。
 今回図らずも私がよく行く林道の側で送電線鉄塔が建造されその現場をすぐに
 見れることになった。

 いつも山登りをすると送電線の鉄塔に行きあたるとよくぞこんな山の中にでかい鉄塔を
 立てるものだなあ、どのようにして建てるのだろうかと不思議に思ったものだ。

 今回は車から直ぐ傍で工事が行われているので邪魔をしない形で見学させてもらった。
 それは平成28年9月1日だった。
 この時はまだ鉄塔の基礎工事の段階であった。


 平成28年10月13日に再び行ってみた。まだ工事は進んでいないだろうと考えての
 行動だった。
 ところがびっくりした。突然立派な鉄塔が立っていたのだ。
 一瞬魔法を見ているのかと思ってしまった。



 ガーンと頭を殴られた気持ちだった。
 いかに自分の工事に対する認識が甘かったかを思い知ったのだ。
 私は9月1日の様子から10月13日はようやく基礎コンクリートの
 打ち込みが終わった頃だと予想していたのだ。
 それが一か月ちょっとで次の写真の鉄塔がこんな山の中に立ってい
 たのだ。

 

 どの位山の中かと言えば次の地図を見れば分かる。

 現場の地図

 一般の人は殆ど行かない道だ。私のような変わり者しか行かない道だ。
 行く道は大型トラックは無理、重機も入れないような場所だ。
 答えは現場で分かった。ほとんどクレーンによる資材の搬送だった。
 しかしこのクレーンの設置も分解・組み立ての連続による設置だ。



 山を下る途中に次の山の尾根の上に次の鉄塔が建造されている光景があった。
 工事の様子を望遠レンズで撮影してみた。
 人間が上にせりあがる箱のようなものに乗りながら資材の設置に取り組んでいる
 様子が見えた。
 それにしてもこんな山の中で、高所に登り危険な作業をする姿には頭が下がる
 だけである。

 


 我々の日常生活はこのような人間によって支えられているのだ。
 都会の基礎は山の中で作られているのだ。
 名もない人間たちが必死になって日本の社会を作っている。この様子を
 見られただけでも私にとっては有難いことだった。

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