酒蔵見学会報告
平成22年2月12日は朝からどんよりとした曇った冬空であった。
しかし心は明るい青空であった。それはこの日は山形東涛会の酒蔵見学会の
日であるからである。頭の中には朝から美味い酒のことしか浮かんでいない。
さてこの会は鈴木正朗君の音頭でこの酒蔵見学会が企画された。
肝心の酒蔵は正朗君の奥様の実家である山形市の西、月山の麓西川町にある
設楽酒造と決まったというか正朗君が無理に頼み込んだのだろう。
参加人数は奥方同伴もOKだったので23名の人数になった。
その日は午前9時半に山形駅西口から貸切バスで会場に向かった。
山形は雪が少なかったが段々と積雪が増えていくのが分かる。
40分ほどで会場に到着した。玄関を入ると早やお酒の匂いがしてきた。
挨拶もそこそこにさっそく工場内の見学となった。
杜氏から丁寧に説明を受けた。工場は思ったよりも近代化されておりとても清潔であった。
丁度今が新酒の仕込みの期間であったので酒つくりの全てを見て味わうことが出来た。
酒米が蒸されて乾かす作業が行われていた。この米を全員に食べさせてくれた。
とても硬く粘り気が強く私にはゴムを噛む位の弾力を感じた。
製造の過程は全てオートメーション化されているが所々に手作業が入り込む形で作業が進んで
いく。皆んな熱心に説明を聴いている。でも心の中は。
酒米はまず最初に米の芯の周囲を削り取る。
下の写真の真ん中が元の米。その左右が50%前後削られた後の米である。
大吟醸になると60%以上削るというから驚きである。
ちなみに削られたカスは米糠となり別の分野で使われていく。
この会社ではやはり山田錦が多く使われていた。このほか美山錦、出羽燦燦なども使用され
ていた。お聞きするとやはり山田錦は強いとのことであった。
さていよいよ利き酒である。皆今日一日はこのために来たという顔であった。
最初はまだ絞る前のどぶろく状の原酒であった。やはりまさにどぶろくであった。
これをごっくりと飲めるのだから何もいうことはないだろう。
次はろ過処理を終えて製品になる前の所謂原酒を試す番である。
所謂市販品はここからまだ数段の処理を経ていくことになる。
ここで感じたことはどぶろく状の酒よりもずうっと味わい深く、複雑で芳醇な味であった。
ちなみに設楽酒造で扱っている酒には次の様なものがある。
さて工場の見学が終わると母屋の方へ案内されそこで土地の作物で作った漬物や果実な
どをご馳走になった。これも美味かった。杏の漬物は絶品だった。
さてこの場は12時30分位まで長居をしてしまった。
次はいよいよ昼食である。全員うまいお酒でトロンとなり更に美味い漬物と甘酒で腹も一杯
になってしまったがとにかく昼食を食べようとなり会場の西川町水沢にある水の館「銘水館」
に到着した。
ここ水の館「銘水館」は月山や湯殿山に行く人は必ずここで休憩をする場所となっている。
ここは地域起こしの産直であり、更に温泉が出るし、地ビールも楽しめるとてもゆったりした
憩いの施設である。
私も何回も来ているがいつも車なのでゆっくり地ビールやお酒などを味わったことが無かった
のでここで宴会をやれることはこれも楽しみの一つであった。
ここで又宴会となった。
地元の野菜を中心にした美味しいご馳走が並び地ビールが飲み放題ということで話が弾んだ。
なにしろ海千山千の集まりであるから話の幅が大きく楽しい話題に尽きない時間を過ごせた。
次の写真の背景のガラス戸の中が地ビール生成の巨大ポットである。
最後にこの会場の玄関で集合写真を撮り山形市まで再びバスに揺られて帰宅となった。
このような行事を出来ることが山形に住む者にとって幸せの一つなのだと思う。
(写真・文記載 近藤)
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