山形ブロンズ愛好会
沼沢 政辰
私が最後に奉職した学校は、山形市立第三小学校です。鋳物工場の
多い銅町などを学区とする学校です。私が勤めていた頃の同窓会の
会長さんが、愛好会の会長さんでした。会長さんにこの会に入るよう
誘われたのです。鋳物に関する産業の盛んな地域の学校に勤めた縁に
愛好会に入ったのです。
入会してから20年になります。愛好会の会員は現在20名を超えております。
この愛好会のプロンズの制作は「蝋型鋳物」による作品作りです。
「蝋(ろう)型」というのは、蜜ろう(蜂蜜と松脂を1対1の割合で溶かし、固めた
もの)で原型を作り、ブロンズ(銅90%, 亜鉛と錫が10%)に仕上げるものです。
蜜ろうは常温では固くて原型作りは出来ませんので、40℃位のお湯に入れ、
粘土のように柔らかくしてから作り、水に入れて固めて原型にします。
次の「笛を吹く少年とその妹」、「シーソー」の二つの像は、原型一つで
一つの像を制作したもので一番基本的な作り方になります。
シーソーの像
「屋根の上のバイオリン弾き」は「家屋と親子」と「屋根の上のバイオリン弾き」と
の二つの部分に分けて作り(原型を二つ作る)、その二つを組み合わせて一つの
作品にしたものです。
製作は春と秋の年二回で、一回の制作ではせいぜい原型二個までの制作となり
ます。
バイオリン弾きの像
三番目の作品「お神輿」は神輿の本体と屋根とを分けて作り、さらに担ぎ手8名を4名
づつの二つに分けて作り、組み合わせて一つの作品にしたものです。
別々に四つの原型を作ったことになります。うまく組み合わさるように原型を作るのに
大変苦労しました。
次の写真はお神輿の本体と屋根部分の構造です。
次は神輿の担ぎ手を表現しました。
最後に全ての像を合体します。
四番目の作品「アンサンフ゛ル」は、それぞれ別個に像を作り、それらしく配置して
一つの作品にしたものです。
ピアニストの像は、ピアノと弾く人と二つに分けて作り、組み合わせております。
フルートを吹いている人の像は、東濤会の会員である三浦 剛さんにお願いして
写真を撮らせてもらい、それをもとに作ったものです。
製作は春と秋の年二回で、一回の制作ではせいぜい原型二個までの制作とな
ります。毎年三月に山形市の文翔館(旧県庁)で愛好会の会員展を開催しておりま
したが、残念ながら新型コロナの流行のため、制作も会員展も休止しております。
技術もまだまだ未熟ですし、作品としての出来も恥ずかしい限りですが、老後の
楽しみとしてこれからも続けていきたいと思っております。
今はコロナが早く収まってくれればと祈るだけです。
戻る