細梅 久弥先生の遺作品との出会い
令和8年10月11日は晴れた良い天気だった。
私は長雨の後の鬱陶しさを取り払おうと村山市にある健康ランド
クアハウス碁点に泊まりに出かけた。
ここは体育施設と一体になった温泉と体育館、温泉プール、グランド
ゴルフ場等を含んだ保養施設だ。しかも周辺は美味しい手打ち蕎麦屋が
数多くある。
目の前は最上川船下りの乗り場だ。年間多くのお客で潤っている。
しかし、この十月中旬は紅葉の節には少し早くて観光客も少ない。
こういう時期が穴場なのだ。ッというわけでここにやってきました。

玄関を入りロビーに行くと明るい日の光が館内に充ちていました。

北側の壁を見るとありました。細梅先生の絵が。
先生の代表的なテーマのホッ被りをしたお年寄りたちの懐かしい光景の絵です。

先生は描く対象を記録するためにいつも厚いスケッチブックを持って
スケッチしているのを高校時代に見ていましたがこの絵の中の老婆たちの
様子もあのスケッチブックに克明に描写していたのでしょうね。
先生の絵にはこの他に大雪の中で行商の大きな荷物を背負った老婆たちの
様子を描いた絵や角巻をした老婆像、元気で活動しているお年寄りたちの絵が
数多くあります。
私は若い頃はこの種の絵を見ても感動を覚えたりはしませんでした。
丹念に古老たちの挙動をよくぞ的確に描いているなぁという感心する気持ち
だけでした。
しかし、近年は違います。先生が丹念に描いた絵の中の人物像の年齢に
我々が達してるということを自覚したら先生の絵が私には違ったものに見
えてきているのです。絵の中の人物たちが私の目の前で生き生きと動いて
くれるのです。そして絵の中の人物たちが発している言葉まで聞き取れる
のです。
今回当施設に来るにあたってもしかすると先生の絵は交換されているかな
と心配していたのですが杞憂に終わって良かったです。
いつまでも先生の絵が当館に飾られて行って欲しいと強く願いました。
最後にここの碁点温泉の名前の由来について少し語ります。
最上川舟運は酒田から米沢まで続くわけですが途中に難所が何か所もあり
ます。この温泉施設の近辺にも難所がありました。
それは碁点、隼、三ケの瀬です。
丁度、施設の眼前が難所「碁点」なのです。
その状況が次の写真です。
川の中に岩がゴロゴロと露出しているのが分かると思います。
当然に舟の上り下りには障害になるので岩を砕いて舟の通る道を確保したの
ですが当時の工業力ではここが精いっぱいだったのでしょう。
ここから上の上流もこのような難所が数多くあり、土地の篤志家などが
資金を出して川の開削に励んだようです。

写真の緑の中の部分は健康増進用の温泉プールです。
ここは障害のある人の手術後のリハビリ用が主体です。
毎日夜9時頃まで開いていますが大勢の人がただただ歩いています。
水の浮力で足に体重の負担を少なくした状態でただ歩き、足の筋肉の
強化を図るという目的ですが夜も遅くまで歩いている人たちを見ていると
感動します。

さて、以上が細梅久弥先生の遺作が飾られているクアハウス碁点の現況の
報告です。当館は綺麗で料金は安価でゆったりとした温泉が楽しめます。
ぜひ、一度訪れてみると良いと思います。
細梅先生は村山市の大事な方なので先生の絵はいつまでも世のなかを見つめて
いくことでしょう。
戻る